えにし屋春秋 あさのあつこ

読書感想

あらすじ

浅草寺にひっそりと佇む仕舞屋で、おまい・・・は心が落ち着かずにいる。「目を開けてごらんなさいな」美しい声で呼びかけられ、鏡に映る自分の姿は大店のお嬢様そのものだ。これがあたし?女も、奉公先の主人も褒めてくれるが、あたしはきれいなんかじゃない。あたしは醜いんだから・・・・・・…。

ここは人と人の縁を結び、縁を切る、「えにし屋」。人がいる限り、そこに縁は生まれる。男と女、男と男、親と子、姉と姉、師と弟子…生まれる縁は美しいものか、醜いものか。えにし屋の主人・才蔵、そのもとで働く初、太郎丸、お舟は今日もその眼で真実を見抜き、人の縁に触れてゆく。客ばかりではない。自身たちもまた、その縁の中のひとつとして。

感想(ネタばれなし)

待ってましたあさの先生の新シリーズ!人情と悪鬼、あさの先生の得意とする感じだなと勝手に感じたり。しかしいくつ並走してるんだシリーズもの?新作は嬉しいけれど続きを待ってるのもたくさんあるので先生には元気に書き続けてほしい…

1話目のこの感じで行くのかと思ったら2話目でガンっと暗闇に連れ込むの、いいですね…油断ならないですね先生…。読み手(自分)も他の登場人物も、あの人はそういくんだろうと予想しているのに「そうはしませんよ」と本人はひらりと違う行動をしてくるので、言い方はおかしいけれど、本当に生きているんだと感じる。だって読み手であっても「その人」じゃないからね。いやーこういうところが、面白いし上手いなあと思う。

またね、あさの先生はつくづくオタク心を掴むのがうまいなあと思っています。お初さん!!そうきたかー好きー!!とね、なるよ!さ、才蔵おじいちゃ~ん!!好き!!ありがとう!!(なんだこの感想)

忘れっぽいわたしなのでなるべく早くシリーズの次巻が出てくれることを切に願っています。

感想(ネタばれあり)

はい出た殺し屋っ!作者もあさのファンも大好き殺し屋設定っ!主人公たちは今はそこから抜け出しているけどもとは強盗一味。才蔵や初を狙って今後物騒なおにいさんおねいさんが続々と出てきそうです。いやしかし2話目の印象が強すぎて1話目のあのキラキラしたのはなんだったの??っていうね。いやそれがいいんですけど。

わたしは昔から脅迫概念を1000分の1くらいにした感じだけど、「いいことをしないと運が悪くなる」ってちょっと思っちゃうところがあって。(悪いことがあると自分が不真面目でいい人間じゃないからだ…と思いがち)だから外ではわりかしちゃんとした感じで生きてると思うんだけど、それって自分に良いことが起こってほしいからで。見返りが欲しいからで。きっとわたしがえにし屋にご縁があったら、人から聞く話では「てんさん?いい人だよ」って言われるかもしれないけど、お初さんたちにはいろいろ見抜かれてしまいそう。そんなわたしに合うかたとご縁をくださいえにし屋様。ほんまに。

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